アッサン・イクバル計画開発改革相、来日

   パキスタンのアッサン・イクバル計画開発改革相が、2013年12月3日から7日まで来日しました。これは「パキスタン・インフラセミナー」の来賓として独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)により招かれたものです。

   イクバル大臣は、松島みどり経済産業副大臣と面談しました。面談の中で大臣は「パキスタンと日本は大変深く緊密な関係を築いてきました。パキスタンでは独立後65年経って、前政権から次政権へと民主的な移行が行われ、現政権は経済再建、成長を促す為より多くの投資を招致する事に焦点を置いています。経済安定化に向けた経済改革が実施され、2025年にはパキスタンを上位中所得国にするために、5カ年計画、またヴィジョン2025計画も開始されています。政府の最優先課題は、既存の発電所の効率を高め、エネルギー供給を安定させること、また火力、水力、原子力技術の民間使用に基づいた新規の発電所を建設する事です。人的資源をより向上させる為、教育は政府の重要課題になっています。パキスタンは全人口が1億9千万人あまりで、そのうち60%は若年層となっています。若い人たちにより雇用機会を生み出すため、政府は中小企業部門を促進しています。インフラ向上の為、特に中国と南アジア、中央アジアを繋ぐ経済回廊を作る事は、ヴィジョン2025計画に含まれており、パキスタンを地域の経済活動のハブにする事を目指しています。また政府部門では、公的部門をより高度な業績を遂行する組織へと変革し、公務員改革、警察改革、税改革が政府の優先課題となっています。」と述べました。

    さらにイクバル大臣は「パキスタンの治安状況は改善しつつあり、投資にも良い状況です。パキスタンは大変自由な投資政策をとっており、ある多国籍企業の調査によればパキスタンは世界で最も魅力的な投資先の1つとなっています。パキスタンが日本の技術、経験から恩恵を得る為に、日本の知識を持った方々と連携を築きたいと思っています。カラチ循環鉄道はその1例となるでしょうし、両国のフラッグシッププロジェクトになれるでしょう。またパキスタンの若年層への雇用創出の為にも、日本はパキスタンの繊維製品に対しEUのように関税譲許を考慮して頂きたいと思います。」と述べました。

    松島経済産業副大臣からは、日本政府はパキスタンの経済発展を支援し、またシャリフ首相率いる現政府はパキスタンを経済分野において関与していくことにおいて、国際社会から信頼を得ており、首相が実施している経済改革を評価している、との言及がありました。

    イクバル大臣はまた、日本パキスタン経済協力委員会(JPBCC)の朝田照男会長とも面談し、JPBCCの次期会合は2014年3月にイスラマバードで開催する事に双方同意しました。

    イクバル大臣はその後政策研究大学院大学(GRIPS)を訪問し、白石隆学長の出迎えを受けました。政策研究大学院大学とパキスタン開発経済研究所(PIDE)の間で覚書を締結する事が同意されました。

            イクバル大臣を歓迎し、日本パキスタン友好議員連盟の会長である衛藤征士郎衆議院議員、松島みどり経済産業副大臣、元外務大臣玄葉光一郎衆議院議員による昼食会が催されました。衛藤会長からは、GRIPSとPIDE間での協力に関する覚書締結の一方で、議員間の交流を一層強化する旨の発言がありました。

     2013年9月26日、ニューヨークで行われた国連総会の折に、パキスタンと日本両国の首相により一層の協力に向けた双方の理解・認識を振り返りながら、イクバル大臣はパキスタンのシャリフ首相から安倍首相へのパキスタン訪問への招待を再度言及しました。

     またイクバル大臣は、日本経済新聞と朝日新聞と、それぞれ別々にインタビューに応じ、パキスタンへの外国投資と経済発展の為の政策を強調しました。